
求人票作成のセミナーをしたときのこと。
15名くらいの事業者さんに、こんな質問をしました。
「ここ1年で、どれだけ他社の求人を見ましたか?」
返ってきた答えは…
- 10件以上見てた:1名(付き添いで来てた総務の方)
- 3〜4件くらい見てた:数名
- まったく見ていない:大多数
これ、ちょっと衝撃的じゃないですか?
求人を“出す側”が、他の求人をほとんど見ていない。
でも逆に、求職者は見まくっています。
だって、仕事を選ぶって人生を選ぶってことだから。
軽い気持ちじゃない。
食い入るように、ひとつひとつチェックしてます。
彼らはその道の“プロ”です。
- どうやったらいい会社を選べるか?
- この表現は何を意味するか?
- この条件は裏があるか?
比べて、見抜いて、判断する。
ここでふと思い出したのが、孫子の有名な言葉。
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」
…これ、現場でどっちが“優れている”状態でしょう?
会社側(求人を出す側)は、己しか知らない。
求職者(応募する側)は、敵=会社の情報を把握している。
情報戦において、明らかに負けているわけです。
だから思うんです。
求人票って、「出せば誰か来る」時代のものじゃない。
むしろ、“選ばれるためのプレゼン資料”。
- 他社がどんな表現をしているか?
- ターゲットが何に反応するかも知らない
- 自社の強みがわからない
…この状態で出して、
「全然応募が来ないんだよね」になってしまう。
自分の人生をかけて仕事を選ぶ“プロ”に対して、
片手間で出した求人で勝てるわけがない。
まずはそこを認めるしかない(涙)
そして、
“選ばれる努力”を、企業の側もやっていくこと。
それがこれからの採用の“普通”になっています。
2025年の新卒初任給が30万越え。
大手は当たり前に「選ばれる工夫」をしています。
超就職氷河期の僕にとっては、嫉妬以外の何者でもない。笑
そんな“モテモテ”の相手はプロです。
こちらがシロートのままでいたら、振り向いてもくれません。
「敵を知り、己を知る」
今あらためて、その目線を持つタイミングかもしれません。